大学の卒業写真は母の思い出の袴で
2021年5月16日私は大学の卒業式に母が所有する袴を着付け、写真スタジオで記念写真を撮影をしました。同級生は華やかな柄や色のレンタル袴を着付けている人が多かったのですが、私は古くさい昔ながらの袴。そもそも当初はスーツで卒業式に出席するつもりでいたのですが、、、。
母は小学校の教員をしていて、6年生を担任した年度は卒業式に必ず自前の袴を着付けていました。私が大学を卒業する年度は、母が小学校6年生を担任した年度でもあったのですが、母は小学校の卒業式にこれまでどおり自前の袴を着付けるつもりだったようです。私は東北の実家から離れた都内の大学に進学していたので、当初、大学の卒業式にはスーツで出席し、スタジオ撮影はしない予定でした。
しかし、卒業式が近くなった2月、母は交通事故に会い、長期入院となってしまいました。幸い命に別状は無かったのですが、入院が長引き、担任として小学校の卒業式に出席することはできず、卒業生に申し訳ないとひどく落ち込んでいました。もちろん、都内にある私の大学の卒業式に駆けつけることも叶わない状況でした。
そこで、私は急遽父に頼んで東北の実家から母の袴を宅配便で送ってもらい、大学の卒業式に母の袴で出席することにしたのです。
卒業式間際になってから美容院や写真スタジオの手配をするのは大変でしたが、思い出深い卒業写真を撮ることができました。母に聞き取りしながら袴一式を梱包し、送らなければならなかった父には負担をかけましたが、後日、病室で私の卒業写真を見た母は大変喜び、思わぬ親孝行ができてよかったです。